日記 2018年5月中旬

【2018/5/20(日)】

■ 十二枚差オーブン日記とアイテム指数
 書くことは他にもあるが、まずはこれから。
 今、僕の勤めるパン屋は赤字であり、しかし製造過程自体に、赤字を何とか改善しようという努力もなく、設立以来のやり方に流されるばかりの惰性に支配されている。パンのアイテム自体は多く、それ自体は悪いことではないのだが、問題は、その数多いアイテムが儲かるものか、そうでないものかを誰も把握していないことである。もっとも、職場のパソコンなどを見るに、かつては原価計算などもしていた形跡は認められるが、職員の異動や人材の資質・適性もあり、それが活かされているとは言い難い。
 というところで、これから僕(とO、利用者)は、何を作っていけばいいのか、どのアイテムを重点的に生産し且つ出荷すればいいのかを把握するために、車輪の再発明か、はたまた文系脳の恐怖か、ともかく、アイテム指数というのを捻り出したのでここにメモする。なお、身バレ予防の観点から、実際にはアイテム指数という名付けはしていない。

● 「アイテム指数」概要
 アイテム指数とは、利益を生み出すことを前提に、商品の原価と粗利益のバランスの良さを数量的に示した指数である。
 原価=コスト≒リスク。粗利益=リターン。したがってこの指標は、リスクとリターンのバランスを計るものでもある。ただし注意すべきは、ここで取り扱うデータは、原価や粗利益といった数的値であり、商品の味/作りやすさ/商品力といった質的な要素を示すものではない。つまりアイテム指数で良い数値を出した商品であっても、それがそのまま客を満足させられるかどうかについては、また別の議論が必要になる。

 これからシミュレーション的にアイテム指数を算出していくことにする。そのためのサンプルとして仮にここに「あんぱん」「メロンパン」「カレーパン」「フランスパン」「食パン」があるとする。
 アイテム指数を出すためには、まずはそれぞれの原価、粗利益、さらに各平均値が必要となる。
品目 原価 粗利益
あんぱん 50 70
メロンパン 30 80
カレーパン 40 60
フランスパン 10 80
食パン 100 110
【平均値】 【46】 【80】
 数値はあくまでも適当である。さてここから、まずは原価と粗利益に関して、各商品の偏差値を出していく。
 そもアイテム指数からして、あくまで商品を扱うための手掛かりとなる指標が欲しいだけであり、したがって偏差値の計算式も厳密でなくてもよく、簡易なものを採用するとする。
原価偏差値=100-(50+(原価-原価平均値)/2)
粗利益偏差値=50+(粗利益-粗利益平均値)/2
 ただし、原価については、高いよりも安い方がよいため、通常の偏差値とは逆に、値が小さい方が偏差値が大きくなるように修正している。

 各偏差値は以下の通り。
品目 原価偏差値 粗利益偏差値
あんぱん 48 45
メロンパン 58 50
カレーパン 53 40
フランスパン 68 50
食パン 23 65

 上の試算でわかることは、原価/粗利ともに偏差値が良いケースがあり、逆にともに悪いケースがあること。また、どちらか一方が良くてどちらか一方が悪いケースがあることである。
 この時点で既に細々と計算をしているが、今現在出ている数値のみを元に商品を扱うことは、数値を評価する人間の経験や勘といった主観に左右されやすくなるため、つまり例えば人によって原価が安いことに重点を置くか、それとも粗利が大きいことに重点を置くかは異なるため、わざわざ数値化した意味は薄い。

 ここから更に原価と粗利益のバランスを見ていくことにする。バランスの良さとは、各数値の差の大小で表現できる。0に近ければ近いほど、バランスはよいと言える。例えば、アンパンなら、原価偏差値と粗利益偏差値の差は、48-45=「3」である。以下、全商品分。
・【あんぱん】48-45=「3」
・【メロンパン】58-50=「8」
・【カレーパン】53-40=「13」
・【フランスパン】68-50=「18」
・【食パン】23-65=-「42」
 ちなみに、各偏差値の差(バランス)を知りたいので、減算の結果、(食パンのように)負の数値が出てきても気にしない。絶対値を採る。
 計算の結果、もっともバランスが良いのは、「3」のアンパンであり、もっともバランスが悪いのは「42」の食パンであることが分かった。じゃあアンパンが、全商品中最も優先して作るべき商品なのか、と言えば違う。アンパンの各偏差値が、そもそも低いからである。差異「18」というバランスの悪いフランスパンの偏差値は、ともに平均以上だが、バランスが悪いという点をもって、あんぱんより劣っているとはならない。もっと言えば、例えば――
・【塩パン】原価偏差値30-粗利益偏差値30=「0」
 となったときに、これはバランスがいいからといって多く作ってしまっては、材料費は嵩むは利益は出ないはでどうしようもない。

 バランスだけを見ていても、それが利益に資するかどうかはわからない。これは上の数値がまだ偏差値の影響下にあるためなので、次に偏差値の影響を取り除くことにする。ここまでくれば最終段階である。
アイテム指数=50-原価偏差値-粗利益偏差値
 すると、各商品のアイテム指数は以下のようになる。
・【あんぱん】50-48-45=-「43」
・【メロンパン】50-58-50=-「58」
・【カレーパン】50-53-40=-「43」
・【フランスパン】50-68-50=-「68」
・【食パン】50-23-65=-「38」
・【塩パン】50-30-30=-「10」

 指数順にソートしてみる。
品目 アイテム指数
フランスパン 68
メロンパン 58
カレーパン 43
あんぱん 43
食パン 38
塩パン 10
 アイテム指数は、フランスパンが最もコスト(リスク)とリターンのバランスが取れており、利益に資するものであることを示唆している。あるいはフランスパンを重点的に作ることを推奨していると読み替えてもよい。逆に塩パンは推奨されていない(食パンも)。
 というわけで僕はこの指数を実地に投入して、生産に反映させていこうと思う。


【2018/5/18(金)】

■ 十二枚差オーブン日記 201805181  二人体制のマイナス面が出て、公休のはずが仕事行き。仕事相手のOは、まだ一人では仕事を回せないので(最近は僕が製造、Oがパッケージングといった風に役割分担が自然とできてしまっていて、Oが製造を覚える機会がない。これではいけないが)、僕が行く。急いで作業して(作業順番を入れ替えたりしながら)、8:30頃には目途を立てて、9時に退勤。
 ↑は別日に撮った写真だが、メロンパン3種。
 帰宅後、再度出かけ、洗車する(明日は雨らしいが)。今日は他に洗車している者居らず。 201805182

【2018/5/13(日)】

 お地蔵さんで実家にて食事。まあ。
 メモ。エクセルの書式の計算式を固定したい(=教えて!goo)
エクセルは、「変更可能な部分を指定して、その他のセルを全部ロック」
という方法で「シートの保護」を掛けることができます。

1.入力/変更するセルを選択「書式」「セル」の「保護」タブで
 「ロック」のチェックを外して下さい。
2.「ツール」「保護」の「シートの保護」をしてください。

これで、1.でロックを外したセル以外のセルは修正できなくなります。

 201805131  休み。雨。
 ↑は、金曜に焼いた緑茶マーブルメロンパン。きれいに色が出ていて満足。他、メモ。温度・湿度が高いホイロで一気に発酵させようとしたメロンパンは、緑茶の色が飛んでしまった。
 昨日今日で、製パンの指示表を大幅に作り変えていて(エクセル)、ちょっと疲れた。
 昼くらいから外出予定。僕の実家行き、食事予定(Tが母の日だからと言うため)。